東山 くわな湯

本。

+++++++



東山 自由軒さんでは

色街の残り香たるカツ丼を堪能させていただいた。



大通りを渡り、主計町の方へ。

浅野川沿いをちょっと入れば「くわな湯」さんがある。



ちょうど主計町茶屋街の明かりが対岸に見える位置である。



金沢の色街風情を残す2つの茶屋街に挟まれているという、イマジネーションをかきたてる立地。



暖簾をくぐるとベンチが置いてある休憩ゾーン。

ここで恋人たちや、芸妓さんと旦那衆が待ち合わせをしていたかと思えば艶っぽい。



番台では女将さんが笑顔で迎えてくれた。

脱衣所にはなぜか本棚と大量の本が置いてある。


聞くと、「返しにこれるなら貸している」そう。


懐が深い。


こういうサービスが続いていることから、常連さんの多さがうかがえる。


服を脱ぎ、浴室に入る。



まずは体を清める。



こちらの浴室には縦に3つの浴槽が並んでいる。


ぬるめの薬湯と、熱めの普通の湯、熱めの光明石ミネラル温泉の浴槽である。


サウナもあるのだが、こちらには水風呂がない。



さらには少し混み気味である。



となれば3x3入浴法で光明石ミネラル温泉を楽しみ、

薬湯をじんわり染みわたらせてから、

浅野川沿いをホテホテと夕涼みもよかろう。



光明石ミネラル温泉での3x3は、

お湯自体と浴室内の温度の高さで「パリッ」と効く感覚だ。



代謝を落ち着けるために縁で休憩していると

天井ごしに女湯での話し声が聞こえる。


どうも常連のお姉さま方が、旅の疲れを溶かしに来ている若者に話しかけているようだ。


やはり、懐が深い。

常連が多くとも、決して排他的でない雰囲気が良い。



女湯からキャイキャイと笑い声が響き渡る中、薬湯へ浸かる。



じんわりと体がほぐれていくのがわかる。


薬湯の効果だけでなく、きっとこの銭湯にあふれる「人情」が温めてくれている。


じっとりと汗が浮いてきたタイミングで冷水を浴び、浴室を出る。


脱衣所では常連さんが番台の女将さんと話し込んだり、本を読んだり思い思いの休憩を取っている。


銭湯を出て、川沿いをホテホテと歩く。



じんわりと体と心の芯が暖かく、軽くなっているのがわかる。


女湯の若者よ、君に一つ気持ちの良い思い出ができていてくれたら嬉しい。


お姉さまが去り際にあなたに言った「またね」が叶う日はきっと来る。



















お風呂の入り方、知ってる?

理想の温浴施設 ”金沢銭湯🍑の湯”  の運営を目指す番頭さんのブログ。